先日開催したエンディングノートのセミナーで、ある町のお世話役(民生委員・自治会長等)をされている方から、胸が締め付けられるような実体験を伺いました。

それは、日頃から見守っていた独居高齢者の方が、ご自宅で亡くなられたときのお話です。

その方にはお子さんも配偶者もおらず、身寄りがないと思われていました。 ご自宅の片付けを業者に依頼する前段階として、お世話役の方が整理に入られたところ、室内からかなりの額の預貯金通帳が見つかったのです。

しかし、遺書も書き置きもありません。 「この通帳を誰に届ければいいのか……」 そこから、お世話役の方の長い奔走が始まりました。

他人が簡単に戸籍を取得することはできません。あちこちへ聞き込みを行い、ようやく一人の遠い親戚を突き止め、何とか無事に預貯金を引き継ぐことができたそうです。 その間の手続き、家の片付け、関係各所との調整……。費やした時間と労力は、計り知れないものでした。

お世話役の方は、こうおっしゃっていました。 「せめてエンディングノートに一言でも記入があれば、すぐに親戚に連絡ができ、もしかしたらお葬式も執り行ってあげられたかもしれないのに……」

エンディングノートには、遺言書のような法的効力はありません。 しかし、**「法的なこと以前の困りごと」**を解決する力は絶大です。

もしもの時、周りがすぐに動けるように。最低限、以下の項目だけでも書き残しておくことを強くおすすめします。

  1. もしもの時の緊急連絡先(親戚、友人、知人)
  2. 身体の情報(アレルギー、持病、血液型など、意思疎通ができない時に必要な情報)
  3. 葬儀に呼んでほしい人のリスト
  4. スマホのパスワード(これがないと連絡先がわかりません)
  5. サブスクリプションの契約情報(月額課金は亡くなった後も止まりません)
  6. 葬儀や供養の希望(お墓、樹木葬、海洋散骨など)

人はいつ、その時を迎えるかわかりません。 エンディングノートは、自分の人生の締めくくりを整えるためのもの。そして、最後まであなたを支えてくれた周りの人たちが、迷わずにあなたを見送るための「地図」になります。

「何から書けばいいかわからない」という方は、まずは一つ、連絡先を書くことから始めてみませんか?

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